2018年02月11日

任天堂が勝っても白猫プロジェクトを配信停止にする必要はないよ

ネットに絶望が広がる中で12日、コロプロは「今回の件が影響し、白猫プロジェクトのサービスが終了するということは断じてございません」と報告。「訴訟がたとえどのような結果になっても仕様変更等を通じて、サービスを継続してまいります」と白猫プロジェクトの続行をユーザーに誓った。

http://news.livedoor.com/article/detail/14161620/


そりゃそうだ。差止判決出ても確定する前に(例えば上告受理申立中に)仕様変更すればサービス継続できるからね。
あたり前のことなのに勝手にネットに広がる絶望。

しかもメインは「タッチパネル上でジョイスティックを操作する際の技術の特許」らしいので、特許侵害が任天堂のソシャゲの売上に影響を与えるとは考えられず、白猫プロジェクトの利益額=損害賠償とする類の規定(102条1項2項)が適用される余地はほとんどなし(又は推定覆滅事由を考慮してほぼ全部減額されるか)。仮にコロプラが負けたとしても、ライセンス料(売上の数%)程度が損害賠償として認められるだけでしょう。売上が大きいからそれでも結構な損害賠償額にはなるけど。むしろアップル対サムソン(業界的には知らなかったらモグリのFRAND訴訟:双方死力を尽くして戦って損害賠償が995万円)みたいなことになったら知財業界の存続が危うくなるから困るんだけど。

ここ読んで、実際に特許侵害かどうかは対象製品(イ号)次第だから白猫プロジェクトやってみないとわからないやという印象ですが、侵害警告のあった2016年9月の直前に2回も自発的に訂正審判かけている(特許を修正した)のが興味深いですね。経緯からすればこの段階で白猫プロジェクトをターゲットにしていたはずですから、さすがに非侵害ということはないでしょう(これで非侵害だったら担当者の立場が危うい)。あとは特許が無効かどうかですね。かなり古い特許なので現在の技術常識が通じないのは大変ですよね。

で、この事件で一番気になったのは、差止の対象製品は何にしたんだろう、というマニアックな点です。ソシャゲって1ヶ月に数回アップデートがありますからね(某P談)。バージョンを特定したらあっという間に意味が無くなりますし(毎月訴えの変更を出すのか?)、バージョンを特定しなかったら設計変更しても執行できる、そんなバカな、ということになりますし。
その辺が気になって田村先生の論文(ちょっと古そうですが)を読んでみたら、後者の場合は請求異議の訴えを起こすことで対処できそうなのでこっちの方が妥当そうですね。でも気になるから裁判所に行って包袋見てみたいなあ(そんな時間がどこにある)

弁理士試験にはほとんど民事訴訟法出てこないし、ましてや民事執行法って何?って状況ですが、このへんまでちゃんと把握しておかないと明細書書き屋さんから脱出できないですよねー(明細書を書くことは普通の弁護士にはできない(と思っている)ので、明細書書き屋さんであること自体に否定的ではないのですが)
posted by tommyseptember at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 特許
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/182388291

この記事へのトラックバック