2018年09月30日

平成30年度弁理士論文試験の嘘解説(特実I)

(梅酒片手にFGOやりながらいい加減に検討する)

【問題T】
1 日本国籍を有し日本国内に居住する甲は、平成 29 年5月1日に、願書に添付した明細書及び図面に自らした発明イ及びロを記載するとともに、特許請求の範囲に発明イを記載して、日本国において特許出願Aをした。以上を前提に、以下の各設問に答えよ。
ただし、各設問はそれぞれ独立しているものとし、各設問に示されていない事実をあえて仮定して論じる必要はない。


(1) 甲が、平成 30 年(2018 年)6月1日に、パリ条約の同盟国であるとともに特許法条約の締約国であるX国において、出願Aを基礎としてパリ条約による優先権を主張して特許出願Bをした場合、出願Bについての優先権主張が認められることはあるか。特許法条約の趣旨及び規定に言及しつつ説明せよ。ただし、X国は、特許法条約に準拠した国内法を整備しているものとする。


(特許法条約の趣旨を即答できる弁理士がどれだけいるのだろう)
(というか、さすがに特許法条約を知らない弁理士が……いないと信じたいが……)
特許法条約の趣旨はさておき、正当な理由なしと判断した却下理由通知で「エラーが発生したということは十分なチェック体制が整っていなかったわけで、つまり正当な理由がない」みたいなのを見て感動したことがあります。というわけで本問の回答は、X国はさておき、日本国においては認められないというのでいかがでしょう。(実際には、2人?3人?入院したり、懲戒処分を受けるような代理人にいい加減な処理をされたりした事例で、救済が認められていたりはします。)
ところで、某回答を見ていたら「OK」とまでは断定されていなかったのですが、法文集にPLT規則はないのですかね?合格のために求められるレベルではないのでしょうが、実務上はそこまで書かないとクビでしょう。

(2) 出願Aは外国語書面出願であった。乙会社は、平成 29 年7月に独自に装置αの開発を開始し、平成 29 年 12 月に当該装置αの製造及び販売を日本国内において開始した。当該製造及び販売は、発明イの実施に該当する。
甲は、平成 30 年1月にこの事実を知り、乙に対して、発明イに係る特許権の設定の登録があった後に、発明イの実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金員の支払いを請求するために、当該特許権の設定の登録前に警告をしようと考えた。
この場合、当該警告を可能な限り早期に行うために、甲がとるべき特許法上の手続はどのようなものか、乙に対する警告の方法もあわせて説明せよ。


1問目が変化球なのに2問目以降は普通の問題ですね。手続きをミスったときのリカバー力が試されているようです。

(3) 甲は、平成 30 年2月1日に、出願Aについて、拒絶をすべき旨の査定の謄本の送達を受け、同年3月1日に、発明ロを明細書、特許請求の範囲及び図面に記載して、特許法第 44 条第1項の規定による新たな特許出願Cをした。その後、出願Aは、出願公開されることなく拒絶をすべき旨の査定が確定した。また、出願Cは、出願公開された。
丙が、平成 29 年7月1日に、自らした発明ロを明細書、特許請求の範囲及び図面に記載して、日本国において特許出願Dをした場合、出願Dが、特許法第 29 条の2の規定により拒絶されることはあるか、説明せよ。


早期審査で出願公開前に拒絶査定って、本来の特許法の精神からするとすごいイレギュラーです。特許審査を受けながら出願公開しないというのが本当に特許制度上許されるべきことなのか?と疑問に思うことがあります。出願公開後に審査を受ける場合と比べて、代償のバランスが取れていない気がするんですよねー。
(反対に、この制度を使っていろいろ戦略的なこと(悪いこと?)ができるような気もしますが、あんまり研究されてないような気がしますねー)

2 甲会社の従業員Xと乙会社の従業員Yは、それぞれの上司の命を受けて勤務時間中に共同で研究を行って、甲会社及び乙会社の業務範囲に属する発明イを完成させた。甲とXとの間で定めた勤務規則には、従業者がした職務発明についてはあらかじめ使用者に特許を受ける権利を取得させる旨(以下「原始使用者等帰属」という。)が定められている。
乙が、発明イに係る出願Aをするために必要な特許法上の手続について、乙とYとの間で定めた勤務規則における原始使用者等帰属の定めの有無に応じて、特許を受ける権利の帰属との関係に言及しつつ、説明せよ。
なお、甲及び乙は、平成 28 年4月1日以降に設立された、日本国内に営業所を有する法人であり、甲が、当該特許を受ける権利を他者に譲渡すること及び放棄することは考慮しないものとする。また、設問に示されていない事実をあえて仮定して論じる必要はない。


乙が単願で出すのね?と早合点して爆死しました。まあこれでも論点はカバーすることになるから点数は入るでしょ……
法改正の趣旨からすると、乙の勤務規則が予約承継の場合も論じてほしいところですが、4問60分でそこまでできたら鬼ですね。
ところで、「上司の命」だけで職務範囲と言い切れるんですかね?
posted by tommyseptember at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 特許
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